日本は欧米に比べ感染者数、死亡者数が少ないのはなぜか」カテゴリーアーカイブ

日本は欧米に比べ感染者数、死亡者数が少ないのはなぜか

あくまでも私見です。

(BCG接種義務の有無は疑似相関と考えます。理由は別に投稿します。)

①多くの日本人が今年1月より前に新型コロナウイルスに対する免疫を持っていた
新型コロナウイルス、SARS、MERSでもないごく一般的な風邪症状を引き 起こすコロナウイルスに対して抗体を持っていると、完全ではなくてもちょっとは新型コロナウイルスに抵抗できるかもしれません。新型コロナウイルスが日本に持ち込まれる前に、日本で流行っていた風邪のコロナウイルスに対する抗体が、欧米で流行っていた風邪のコロナウイルスに対する抗体よりも新型コロナウイルスに有効であった可能性はゼロではないと思います。

   SARSは2003年に流行りましたが、今回同様、中国発祥です。

   MERSは2015年に韓国で集団感染を引き起こしています。

 中国に長年毒されている(訂正します)ご愛顧いただいている国ほど感染者数、死者数が少ないです。
 Johns Hopkins大学のCovid-19関連サイトhttps://coronavirus.jhu.edu/map.html

を眺めていると実感します。

 

②日本人はきれい好きである
帰宅後、食事前、トイレ後の手洗いとうがい(トイレ後のうがいは?)、家の中土足禁止等々の生活習慣は他国にはあまりない習慣のようです。このきれい好きが新型コロナウイルスの接触感染防止にとてもプラスに働いていると思います。

衛生委員会で委員の方と話をしているとき、その方には3人お子さんがいらっしゃるのですが、「上下の2人はよく風邪をひくけど、真ん中の子はほとんど風邪をひかない。子供達には家に帰ってきたら手洗いとうがいをするよう口うるさく言うけど聞いてくれるのは真ん中の子だけ。手洗い、うがいはやっぱり大切ですよね。」とのこと。

以前、菅官房長官が、日本では感染者の6割は男性、死亡者の7割強が男性と記者会見で言っていましたが、感染者、死亡者がここまで男性に偏っている国は他に見つけることができません。男が家事を分担する割合は、調査した国の中では最下位であったとの結果があります。

炊事、洗濯では必然的に手を洗うことになります。こういうことも男女の感染者数、死亡者数の違いに影響しているのかもしれません。あくまでも私見です。

 

③日本人には挨拶で握手、ハグ、キスをする習慣がない
握手、ハグ、キスは濃厚接触の極みです。

 

④今年の冬は記録的な暖冬であった
新型コロナウイルスについてはわかっていませんが、インフルエンザについては、高温・多湿ほど感染力が低下することが知られています。

Inflluenza Virus Survival Regression on Specific Humidity
Absolute humidity and the seasonal onset of influenza in the continental United States.PLoS Biol. 2010 Feb 23;8(2)

縦軸がインフルエンザウイルスの感染力維持率、横軸が重量絶対湿度です。

重量絶対湿度は乾いた空気1kg当たりの水蒸気量です。重量絶対湿度が高くなるにつれ、感染力は低下し、0.01kg/kg辺りで感染力を1/10程度まで低下させることができます。

絶対湿度には重量絶対湿度の他に空気1m3当たりの水蒸気量で評価する容積絶対湿度があります。重量絶対湿度0.01kg/kg=10g/kgを容積絶対湿度に換算すると

               約11 g/ m3

です。容積絶対湿度は、気温、相対湿度、気圧から求めることができます(詳細略)。

例えば、室温24℃、相対湿度50%強、1気圧で容積絶対湿度11 g/ m3をクリアーできます。気温が12℃未満ではいくら相対湿度をあげても容積絶対湿度を11 g/ m3以上にあげることはできません。

Johns Hopkins大学のCovid-19関連サイトhttps://coronavirus.jhu.edu/map.html

を眺めていると、南半球のオーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンなどの南米は確かに感染者、死亡者とも少ないです。ブラジルは大統領が個性的すぎるので別ですが。

 

⑤インフルエンザに感染した人が例年に比べかなり少なかった

インフルエンザの流行状況(東京都 2019-2020年シーズン)
インフルエンザの流行状況(東京都 2019-2020年シーズン) http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/flu/

赤線が今シーズンです。縦軸が定点当たりの感染者数、横軸が週になります。例えば、横軸の2は2020年1月の2週目に当たります。例年、1月の後半~2月の前半に感染者数のピークが認められますが、今年はピークらしいピークがありません。

おそらく、③でお話した通り、暖冬(特に1月)が影響していると思われます。2月以降は、新型コロナウイルスの流行で手洗い、うがいを徹底するようになったことも有効だったのでしょう。

 

インフルエンザに感染すると、治ってもしばらく免疫力は下がっています。インフルエンザに感染する人が少なかったことが、新型コロナウイルスに対してもプラスに働いたのではないでしょうか。

新型コロナウイルスに感染した50代の男が、ウイルスをばらまいてやるといって、フィリピンパブを訪れていたことがニュースになっていました。その男の相手をしてべたべた触られていた20代女性従業員は感染せず、その場から離れたソフアーで、男が最初寝転んでいたところに座って化粧をしていた30代女性従業員が感染してしまったとのことでした。その女性は2週間前にインフルエンザにかかっていたとのことで、インフルエンザにかかった後、十分免疫力が回復していなかったことが感染した一因と考えられます。

 

関連記事

接触8割削減に日本人の社会活動・生活様式に即した具合的な根拠はあるのか?
政治決断をお願いいたします

新型コロナウイルスのフロントページ